デニム・ブルー・サファイアママン☆第四章1

 ひな祭りで段飾りにひとりひとりを定位置に置きそのときに、容子にも女の子らしい心が漲っていることを期待し興奮します。ひとつひとつの人形はきれいに和紙でくるまれて、胴体と首が別々に保管ですが、異なことを言い出すのです。首がとれているのは怖いって。そ、それは保管のために大事にするためにって説明しても、未来を確実に見据えているかのような発言するのです。女子の家系がひな祭りを大事にすることは当たり前で段飾りを心を込めながらやっているのに・・・って私は不機嫌になりかけますが、この子は何かを咄嗟に予知している・・・。首がなんで離れているの?首をつけたまま保管してあげたい!!て。なおす時にはそうしてって懇願してくる。まさかとは思いましたが私にも同時に感情移入してしまう思考回路があったのです。戦後の成り立ちを自分なりにスケッチしているふたりがいた。私と母親のキミ。この平衡連想です。戦前の考え方でいてはこの子を育成し損なうのでは?っていう観念に捕まるのです。何も容子がそれを実践するわけではない・・・頼まれてもいない。そう思うおうとすればするほど、ひな祭りの飾り付けはこれが最後のように思えてならない。物事の表裏を見つめて解析する作家ならいざ知らず、私達は一介の教師と幼子です。くるくるした目で菱餅を飾る時、これが本物であればもっといいのにねえ・・・って。食い意地は持って生まれたもの。そこは夫に瓜2つだったのです。