エメラルド・ウーマン13

 佐世保のお姉さんがわざわざ列車とバスで容子の母を尋ねて来ます。その日は日曜日でいつもなら、昼から美容室に行き髪をアップにしてもらう私も、気になって様子を伺っていた処、お姉さんに対して素っ気ない態度で容子の母はこう言う。いきなりは駄目よ、帰ってくれない?私は心臓が止まりそうにバクバクします。お姉さんは幼子の手を引き玄関で困っておられ、いても立ってもいられず、私は一階の居間に通します。それはそれは感謝をされて、話を聞く内に分かる。ペンギンの居る長崎水族館を見学に来たことが分かる…このまま帰したらバチガ当たると咄嗟に思うのです。