エメラルド・ウーマン3

 海軍記念日に生まれた私でも、やはり戦争は避けて通りたい。弟はしかし、覚悟はあったのか、潔く出征していく。海軍一等兵のセーラー服を身に付けていました。女子はこういう時に御守しか持たせられない。母も同様でした。いつかは、赤紙が来て男子は駆り出されていく。逃げも隠れも出来ない世の中です。お国の為には自分の思いや願いは捨てて臨むのが掟だったのです。運良く戦争が終わり国へ帰れる者もあれば、無残にも、異国の地で帰らぬ人となる…。弟は、終戦後、半年経過しても復員しなかった為に母も、戦死してしまったかも?と悲嘆に暮れます。しかし、1946年3月に帰還を果たします。その時に偶然にも、喜々津駅で酒屋のいとこに遭遇、そのままトラックに乗せてもらい自宅へ送り届けて頂くのです。ただ単に運が良かったとは言えない奇跡に家族みんなは、手を合わせるのです。