父が亡くなるもほぼ弔問客はゼロ。それでもキャロルはめげたりはしない。弟も同様。父の人生は何も問題なかったし、どこかで危惧があったとすれば、キャロルと弟の自立がなかったこと。こころ残りはこの二点だったかなあと。でも不思議なことに父が亡くなることで効力が出始めたこともあるんです。これまで疎遠だった親戚ですが訪ねて下さるようで嬉しいですね。見るに見かねてはいたものの、姉のキャロルが近くに居るからと声を掛けることを遠慮していたそうで、それもわかる気がします。父親の年金を頼らざるをえない人間は世に多く、キャロルも夫の年金がないと生きてはいけない、そういった意味では同じ穴のムジナ。脇田大佐は人間の依存形態に興味深い視線を注いでいて、いわゆる飯の種ですが息子にたかられ、最期は介護をしてもらっていたため、父の言葉が段々消されていったその哀しみの気持ち壮絶ですよね・・・。涙を噛み締めて、弟からの介護を受け容れた。男の意地が最期まであって、娘の旦那の家に世話にならず自宅で闘った。復員兵でニッポンの焦土を踏み91年の生涯を終えた父は、やりたいことに全部挑戦して黄泉の国へ・・・。でわ大佐お願いします。理不尽にも 逝きて安堵を 得られたり〔私はどうやら息子を甘やかし構い過ぎたようだ、放置というものをしなかったが黄泉の国ではそれが出来るので有り難い〕