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 どういう訳か、僕の順番がここに変更され固定する。十月一日の脇田大佐生誕121周年の為の施策だろう。姉がここまで大佐のことを思っている姿に打たれてしまう。私の祖父?会ったこともないから知らないのよ・・・どうだっていいでしょ?ではなく僕達は大佐がいたお陰で戦争のことを詳しく調べた。この経緯が率直に言うと活路だろう。戦争は国民の誰もが開戦すら知らないままだった・・・などという論調を僕も姉と同様、今後選ぶことは避けたい。それなら今後もそういうことが日本になきにしもあらず。無責任極まる話だ。本当のことが常に最前線に来るべき。日本は石油が欲しくて大きな賭けに出た。国民に知らせる前に開戦しなければならない位追い詰められていた。陸軍と海軍。お互いが虚勢を張る程に内部も枯渇していた。にも関わらず、開戦は粛々と断行される。国民は赤紙で駆り出され次々命を落とした。このありようをきちんと後世に伝えていくべきだ。僕らの国は早まった。勇み足だった。ここまで論破してなお、僕の心は当時の若者たちの勇気、そして家族を思う心、国を愛する姿に涙する。僕らにそれが欠片でもあるだろうか?この国を思う気持ち・・・。思いあぐねている場合ではない。経験から得た国民の知恵を結集する時は刻一刻と迫っている。