デニム・ブルー・サファイアママン7の10

 その病院の待ち合い室では容子が絵本を読んでいます。私は、いきみながら、この出産は容子の時とは違ってかなり楽であることに気が付くのです。容子は看護婦さんに朗読が上手いのねえって褒められて調子に乗っています。じゃあこの本、白雪姫も読んでみて・・・あの子は褒められると天まで昇る。そういう子供の特性を持っていました。陣痛促進剤が決まって私はそのあとすぐに男の子を出産します。黄疸が若干あったけど心配するほどではなく安心しました。容子はすぐに対面して皮膚が赤くて少し黒ずんでいることに触れるのです。生まれたばかりだから気にしなくてもいいのよ?って私は説明します。すぐにお乳も出てきます。中々そうはいかないのは六年隔てて生まれた場合。しかし私は妊娠の前半は教員をしていたことで運動不足にはならずその点で安産だったと思うのです。もしもぐうたらして家でごろごろしていたら難産だった可能性はあります。出産は女性の大事業と言われながら案外抜け落ちもある。私は無事に生まれたことに安堵し、容子は旦那が来るまで病院で待っていました。こんなに赤ちゃんがナマナマしいものとは知らなかった・・って興奮しているのです。いずれ白くなる皮膚のことを説明しても皮が剥けているからそこがやけに気にかかっていたのでしょう。じっと見入っているのです。