デニム・ブルーサファイアママン6の18

 階下の家族は総勢、四人できっとみんなが聞けばその様子も想像出来て、こりゃあ大変だ・・・って思うでしょう。嫁に行ったけど、みずから義母がお引き取りをして結婚生活に終止符を打たせた夫の一歳上の姉マレ子、そして妹、美知、夫より、七歳下でまだ未婚でした。義母は夫が戦地の台湾で戦死したと思い、長女の二男を茨城県から連れて帰っていた。夫にとっては甥っこになる男性こそが容子の宿敵になるのです。近所のバイク屋に奉公していました。容子よりも15歳上でちょうど二十歳を過ぎた頃。ある日突然、兄弟たちから引き離されたことによって心が皮肉っぽく成長し、正しく、容子が通るたびに鼻が低い・・とか鼻がぴっしゃげている・・って冷やかす。私は最初はおろおろしました。容子が傷つきはしまいか?って心配しますが後に、解るのです。くやしくないの?って訊くまでもなく、容子はにこにこしている。だって本当のことだから仕方ないって明るい。しかしまだ、年長さんくらいの幼い子供にいちいち鼻のことで難癖つけるなんて、魂がねじ曲がっているな・・とは思うものの私は自分がスルー主義で来ているのもあって”お互い様”のスタンスを取ります。容子はいかに接点を見出せばいいの?って中々気苦労しているようで、実は私を上手く利用していることを、ある日感じて驚くのです。幼児の社交術と言ってもいいでしょう。