デニム・ブルー・サファイアママン6の14

 私は夫の妹、美知について、今後の対処を考えていたのです。もともと諏訪神社近くのお茶の教室で彼女と出会ったことで紹介され、夫と結婚に至っている。その後がでも音沙汰が途絶えていたからです。しかし美知は芸術肌です。取り繕いをしてもばればれで、これまでの自分の態度への不信感はあるだろうな?って。ここを極めて重要視するのも女の直感があったからです。スルーをするにしても他のみんながどう捉えようとも、私は平気だった。美知と同じ感性がみずからあったからこそ、彼女の偽らざる不信感も見えていたという顛末に、対応策も今後は講じないと?拘りを見せる自分がいたのです。でも・・・容子はすべてを見透かしている。容子は容子なりに頭の中でいかに階下の人々と帳尻を合わせるべき?とかなり奮闘しながら試行錯誤を重ねている段階だったのです。彼女は迷っています。母親が忌み嫌う人々との親交の度合は大問題だと自分に設問を掛けている。私は幼い子供に自分が難問を強いていることにはっとする。勉強以外のこういった人生学を、ここで学ぶことになるとはお互いに意外だった・・・。私は完全スルーをもくろむも三輪トラックの中ではまだ何も言いません。日見〔ひみ〕トンネルを出て暫く走ると橘〔たちばな〕湾が見えて来ます。この湾の中に東望の浜〔とうぼうのはま〕海水浴場はあった。煌く銀波が美しい。