横着に構えていた私・・・しかも家に着くも義母に赤ちゃんを抱かせもせず、ひと眼でいいから見たいと走り寄ってくる義母を、ともかく払って二階へ。きっと夫はがくんと来たでしょう。しかし後から、もう宮参りの着物を作っていることを聞かされ、頭が痛くなるのです。夫はそれだけはお願いしたい!って頑として私の気持ちはないがしろです。お宮参りは大事だからっていう切なる思いは分かるけど、縫ってくれた気モチも嬉しいけど、その前になぜ、そっとしといてくれないの?って。容子は不思議な顔でなんなのそれ?って訊いてきます。しかし小賢しい大人よりもさらに大人の感性を持つ容子。ここはOKって返事していた方が利口よ?って開口一番解決策を言ってきます。なぜ?相手は快諾を得るまで絶対に引き下がらない。なぜ、あなたに分かる?って私は訊くと、手作りの物は心が籠っている・・・だから、今はOKって返事をして相手を落ちつかせることが先決って。どっちが母親?っていうくらいクールで、しかも自分の父親にお願いをしているのです。お父さんの気持ちも分かるけど、お母さんを、35日はゆっくりひとりにしてあげたいの!!って。困ったことが生じればそれこそ、お母さんの方から頼むはずよ?って。産後、三十五日床につかないといけないの風習が昔は歴然としてあったのです。