デニム・ブルー・サファイアママン6の12

 三輪トラックはもう一回荷物を取りにアパートに戻って来きますが、私に微かな迷いが生じていたのも現実だった。なぜなら義母の家ではなくどこぞにアパート借りてもいいはず?っていう選択の余地。私はどこかで義母の家族たちとの交流を望んではいまいか?って自身に問い掛けます。もちろんこれは容子がです。私にはその心の余裕や準備は全くなかった・・・そこは悲しいかな本音でした。しかしこの容子には必要不可欠ではないか?って心の奥底のどこかであったことは言えるでしょう。自分は相手を無視して子供だけを交流させるなんて、そこがありえない・・・ってみんなも訝しく思う場面まで来ていますね。私はどこぞの全く縁もゆかりもない場所を選んでアパートを探すべきだったのでは?の疑問符を断ち切れないでいたのは郷に入れば郷に従え!!の言葉だったのです。鹿児島人はそこを尊重し常に心得にしていた。そこをかつては自分も会得し邁進してきたのに・・・戦後失ってしまっていた心根かもしれず迷いの根源になっていたのです。親から教えて頂いた重要なもの、そして、忘れ去っては絶対にいけないものを私は完全に失っていることに気が付く。しかし容子はそこをなぜか会得している。歩み寄る精神を・・・。相手と意気投合していくことの先には花が咲くと。