僕は目の前にうっ屈として残っていた去年までのモザイクが、すっかり消えてなくなったことを歓迎する。僕自身がまだ、迷っていたのかもしれない。一月になって大相撲が開始でさらに僕の視界が開ける。ちょっと心配だった琴勝峰だが、昨日の翔猿との対戦で分かった。勝ちたい気持ちは若干あることが見えてきて安心した。これまで彼自身が勝とうとか、勝ちたいんだ・・・っていう意欲が見えていなかっただけに、僕はある意味、安心した。あの投げられっプリは清々しく、しかし昨日は後ろにまっさかさまに落ちていったので、怪我も心配したが大丈夫なようで、あそこまで観たからにはこれは言える。彼は今場所、特に、気負いと迷いがあるのだろう。投げられてあそこまですんなりしてちゃあいかんとは思うが、経過を見届けたい僕はいる。彼だって好きでああやって負けている訳ではない。昨日それが証明された。必死で攻防しながら出て行くチャンスを伺う姿勢も見えていたことで、僕は炎鵬との違いを嗅ぎ分けた。炎鵬は勝つことに一戦一戦、しこたま拘る・・・必死さがこっちまで伝わってくる。しかしやはり力士によってそこは違って当然。次に炎鵬が出て来るときが実に楽しみだ。もっとリラックスしながら彼が出てくる予想が立つ。これだけの投げられ方をやってのけた琴勝峰を見れば、学ぶ点が自然に出て来て正解だろう。