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 私はまだ敗戦の呪縛から解かれてはいなかったのかもしれない。みんなのようには割り切って考えることが不可能だった。周囲のみんなは戦争が悪夢だっただけ・・・早いとこ忘れましょうってそういう感じでいたけど、実母のキミだけは自分と同じだったこと。いつまでも過去が断ち切れずあえてそれと対峙していた。しかしキミも亡くなって新しい転換期を目の当たりにしていたことは事実です。その兆候のように容子の父親が現れた。自分を嫁にしたいって、結婚を申し込まれ、本来は感謝しないといけないのかも?って。少しずつ親友にも打ち明けていくと、こんな大チャンス逃すのならもう親友じゃないかも?ってそこまで背中押してくる。自分の子供を育成していくことは学校で生徒を教育することとはまた違う醍醐味があるって、そこまで聞かされ、私も決心を固めます。でも果たして義母に自分は服従出来るのだろうか?それは全く自信がなかった。いえ、その前に、従うことは出来ないだろうの推定にあったのです。どんなに優れた間違いのない義母であっても自分は服従はすまい!!とそうはっきり思えたしこの原動力になったのも日本が負けたことに起因していたのです。同じことを繰り返すことは良くないどころか先は見えていたのです。