デニム・ブルーママン17の18

 高校二年の17歳といえば、人生ではもっとも楽しくてうきうきしている娘時代。それをわざわざ、みずから難癖をつけるよな事項に及ばずとも、あの子がちゃんと道を切り拓いていくことを私は信じていました。例えば、ちゃんと進級できて、県立高校で頑張っている親友と、映画を見に行ってもやはり、腫れ物に触るように容子に接しているかと思えば結構、親友がズバズバ発言をしてくるんですね。ストレートに物を言うし、疑問符もぶつけてくる。今どんな・・気持ち?とか。容子はその時、コレダ!!って感じるのです。どんな気持ち?って情けないに決まっているじゃん・・・って答えようとしてその口をみずから塞ぐのです。今のクラスがとっても変人揃いで楽しいの!!って。わざと無理して自分をひけらかしてみる。親友はでも本心はわかっている。舐めた辛苦は相当のものであることを理解してくれるのも親友だからでしょう。なよなよした感じの親友ではありません。凄く男子的なものも包括しているむしろ無骨な女子です。その彼女と一緒に二年生に進級が出来ず、島流しの運命を受け止めて、人生の苦節をいかに感じ取っているか?彼女は中学時代から、執筆する容子をよく観察していましたからそういう心の悩みを小説に書けば?ってきっと心の中で思っていたようですが、口に出すのは無粋だと思ったのでしょう。その時、その時の時間を、容子と過ごすことを大事にしてくれる無二の親友でした。本も沢山読んでいる女子です。感動したら、自分から言ってくる・・・この本は良かったよ?って。そういうのを耳にしても容子はなかなか読もうとはしません。自分が置かれた境遇の半端ない辛さもあったでしょう。もしもこの時代の苦難を、将来、誰かと分かち合うことが出来るのなら?そんなに嬉しいことはありません。世の中にはきっとそういう境遇の人もあったでしょう。しかし当時は誰とも、つらい思いを分け合うことは出来なかったのです。学生の本分である学習を怠たれば、人生に於いて恥をかくのは当たり前・・・この現実と憔悴はその後の容子の人生を位置付けていくのです。