デニム・ブルー・サファイアママン7の11

 階下に住む家族たちでもっとも短い期間過ごすことになるのが夫の妹美知で、容子が小5の時他界します。36歳でした。姉のマレとヨッキちゃんが同じ時期に結婚で、家を出ます。そのとき、容子は中2でした。ヨッキちゃんは看護師さんと結ばれてマレは三菱に勤務する男性のもとに再婚で嫁ぎます。あちらも再婚でした。そして義母タヤが容子が高3まで生きて85歳という天命をまっとうします。このときから、一階も私達が使うようになるのですが、容子は小さいときから早くに家を出ることを計画していたようで、それは冒険がしたかったから・・・あとからそれを知って私は慌てます。自分の人生は冒険なしでは始まらない。そこを悟っていたのだとすれば弟の誕生も意味が深かったのでしょう。自分はいなくなっても両親には弟がいる。この存在感を確かめるように姉の瞳で愛しい弟の手を握り締める。なんでこんなに小さいの?可愛いの?なんで、ぎゅっと握りしめているの?そういえば、赤ちゃんってぎゅっと何かを握りしめている・・・なんていう咄嗟だけど本能なんでしょう。容子は姉になったことで一回り人間的に大きくなっている自分を感じているようでした。お母さんひとりで赤ちゃんを育成するのではなく、間違いなく私はそばで補佐を担当する。私は思えば容子の第二の感性によってしっかり確保されていたのかもしれません。