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 僕はいっこうに人生で羽振りが良くならない姉がいるからこそ、自分が今・・・持ちこたえていることに安堵する。これがもしも、姉ばかりハブリが良くなって、僕にはちっともお零れさえ来ないのなら意味はない。ここに人生のクール鉄則があると思う。姉は着実にゴールが近まっている。そして当人はそのゴールを死だと思って憂慮している。死とは作家にとってゴールではないのか?そこを思うと即、義兄に関与してくる。兄の最期の言葉はなんだったんだろう。恐らく分かっていることだからと義兄は言わなかった可能性は強い。規則正しい朝型生活して欲しい。それが第一項だろう。第二は節約を心掛けてなるべく安値〔ヤスネ〕で暮らしてくれ。清貧に見合う生活様式を兄は常常、説いていた。口が酸っぱくなったはずだ。今の姉なら充分に合格。スターチャンネルが月に幾ら掛かるか?とはいえ、映画を観ることで外に出ない。どれ位、出費が抑えられるのか、兄だって諸手を挙げて賛成だろう。姉は所構わず買うという衝動性が付く生き物だ。要らないものばかりを買い集めきっと、ダンシャリの神様が見たら卒倒する。しかしこれからは違うのだ。スターチャンネルの名前を僕も覚えておこう。この三つのチャンネルが、姉にこれからさらなるタフを与える。早速、ダイアン・キートン監督主演の「チア・アップ!」を姉はメモった処だ。