Ss318

 欲張りな人間は確かにみんなに煙たがられる。なぜだろう。その欲張りが全部達成されることを人はどこかで阻みたいとそう思うからだろう。僕だって、何もかも手にした人間を正直呪うことがあって、これは僕の腹が黒い証拠だろう。しかし清廉潔白ですこぶる頭もいい、そういうジェントルマンには長生きして世直しをして欲しいと強く念じる。なぜ、市井なのか?死に絶えた経済力をアッパーにし、天下急須で極めることが出来る定位置こそが、市井だろう。なんの繋がりもないってとこがクリアで僕は安心する。勢力者の誰とも知り合いがいない。自分が失うものも皆無・・・。そういう清廉潔白の究極がもしも居るのなら、実際、毎日を倹約で過ごして一円を無駄にせず、十円でも落とせば必ず拾う人だろう。そういう市井の息吹を僕等は体現していく。皆に吹聴するような快挙はない。凡人だからだ。しかしはっきり言えるのはその凡人の方がある意味、国に貢献していたりする。黙って政府の意のままに動いて来た。ここが隠れ蓑だろう。僕等は馬鹿の振りをして来たとそう思う。無能な振りだ。しかしその中で分別が起こる。きちんとした見極めによって大衆も分断される。確かにどこまで行っても無能な者、そして有能でありながらそれを現すことがなかった者・・・。姉が掘り起こすのは後者だろう。そしてこの国をバージョンアップする。本当に無能だった者さえ喜ぶ案を姉は既に用意している。