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 僕ははっとする。あくびをしたときだ。母の目の前で大きなあくび。ふぁああ、あああ!!って。すかさず母は言う。あの子と同じだわ!!って発言する。なんのこと?って質問するとニートが長くなってくると、あくびの音も騒音になって二回音を出す連発あくびになるの・・・って。僕は心底戦く。あくびの音で状況見極めるなんて・・・。確かに姉はもう随分仕事をしていない。かれこれ五年になるし意気地のない育児ニートだ。しかしその姉と僕を同等に並べている母の胸中に僕は危機感を感じる。しゃっきとしないとこのままでは大変なことになるぞ!?って。自分に喝を入れる。何回落ちてもメゲちゃダメ、どんどん受けなきゃ!!って母は自分の誕生日までに就活決めない場合、出入り禁止にするって、途端に、厳しいことを言い出す。働かない姉には甘い母が、なぜ、僕にだけ?って一瞬反発したくもなるが、人より饒舌な母だから、こっちの気持ちを先読みして、すぐにも言葉が返って来るだろうと待ってた。しかし母はその先何も言わない。僕のことを信じている証明なのでは?って。僕は彼女が手作りのピンク色のマスクを付けている。それをしている間・・・母はまだ安心が続行なんだな?ってそこを理解する。母の誕生日は七月十六日。まだ、八十五日ある!!って安心は出来ない。いつかは僕も観念しないといけない。それが、かくかく然然のない凡人の定めであること・・・百も承知している。