Ss310

 僕は金も底をついてコマネズミ並にちょろちょろ動き出した姉を滑稽を超えたコミカル目線で見ている。母もいつも笑いをこらえて子供の頃の姉を見ていた。我慢出来ずに最後、噴き出してしまう。それほど先が読めてない。そりゃあ、介護すれば金を貰えると早計にも思ってしまうは僕だって同じだったかもしれない。しかしこれだけ長い間一緒にいて、35年も見て来て相手がどういう信念の持ち主なのか、全く知らないではアブ蜂獲らず。そこを痛感してしまい哀れにもなる。憐憫の情が少しだけ動く。しかしそこまでだ。これまで姉にどこか抜けているとすればこういった方面だろう。徒労が多過ぎ。そこを周辺にいる人々が上手くリードをし始めたことも幸運を超えて上出来だと僕は踏まえる。なぜなら何度でも同じ失敗をする人間を普通は身内だって許さない。ファミマのマネージャーだって神をすでに超えていると僕は推察する。最初の時間帯に戻ってしまうっていうトリックが刑事コロンボだって存外だろう。しかしひとつだけ先見の明をマネージャーは元日姉と一緒に早朝番で組んだ時に吐露している。あなたに最も合っている時間帯は昼の三時六時って。そこを聞き逃さなかった姉にも勝ち星はある。人の言葉に素直になれる時にはまずこう考えよう。弱点の裏には正解あり!!って。