タイミングを見計らって先生は満室の入院患者の誰かが退院した時点でPの入院を模索して下さるようで、家で最期をというのは口で言うのは易しいけど彼自身、まだまだ今生の未練が現世にはあって、最後の最後まで望みを捨てず、七十七歳の誕生日〔四月二十六日〕を迎えられたら?ってそこを思う毎日・・・。私もそういう時期、彼の生の言葉、衒いのない言葉の数々に感動する。結婚に不向きな女だな!!ってはっきり表現されてぐーの音も出ない。なんでそこまで??今ごろ言う訳?って思いはしますが、こんな他愛のない軽口くらいは許そうと大船になっています。その後、一回離婚しているじゃないか?って。つまり段々本音もちらほら出て来る。離婚経験があったから、難儀な女なのでは?と当初彼が迷ったことも伺える。そういうのを億尾にも出さなかった彼の周到さ、人間性が今、木端微塵に崩れ去って、このまま全く別の人格になって集大成しながら人生を終える可能性もある。これは大いなる賭け。そこが作家としてのチャレンジにもなる。人はほぼ全員、言いたいことも言わず、殻の中で息をして日常を過ごしているという実態です。今・・・彼は目一杯甘えん坊になって、私が傍にいつもいる構図に喜んでいます。これが本来のあるべき夫婦だったのになんでいっつも離れていたんだろう?って。彼は甘え上手を取得しています。それはもっと早く獲っているべきだった夫の技能。今からでもみんななら遅くはない。甘えてみれば大抵望みは叶う。それがメオト風です。