サファイア・マン《かけがいのない男編》〔182〕西暦1991年の四月から七月ほど、ようちゃんの人生が揺れ動いた時期はありません。この負債を実は誰にも頼みたくはなかったようちゃんの本当の気持ちは離婚して家に帰ること。しかし、そこまで考えて弟がいる実家に帰ることを避けたい自分も同時に健在だったとは正直な話で、どこぞに離婚して住まいを構えて別々に人生を送って行くことも視野内にはあって、札束で人のほっぺたを軽く殴るような伯母の論調にも本音では嫌気が射していたのです。自分は支払い不可能ということで、破産してしまえばいい、その後に離婚してもいい!!ってそこまでの決心もついてはいたのですが、彼の気持ちも理解出来たのです。妻がそういう立場になった時に彼は支店長になれるでしょうか?そしてなぜ、彼の立場まで自分は考えている?って弱気になってくるのです。私はこの時の決断によって、未曽有の立場をゲットするのです。離婚せずに、夫と伯母によって、負債をなくし、奇麗な状態で次の勤務地にいく!!しかし言っていることと現実はそうは簡単には収まりを見ず、彼にも本当に支店長になれるのか?といったモヤモヤしたものが立ち込めていて、二人の運気がどん底にまで落ち込んでいるように見える七月の午後でした。