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 いきなり親父は長い休みが取得出来た僕に対して、疑問をぶちかまして来る。コンビニってそんなに急に言って休める職場なのか?って。泡を吹きそうになって僕は構える。なんてことをこのオヤジは言い出すのか?自分がその分の給料支払うから俺の傍にいてくれないか?って打診しておいてこのセリフだ。僕だって仲間達には申し訳ないって毎日憂鬱で決して親父一辺倒になっている訳ではない。しかし重病人の親父が絶対的位置にあって、しかも招聘されて来ているのに・・・。これではバットはどうしたのか?って質問されている大谷翔平の気分で糞詰まる。親父にはこういう二面性がある。A型なのにだ...これが本心なんだな?とそうこっちが思ってもお試しの場合が存在する。この人物はどう出るのか?そのリトマス試験紙に使われた可能性もあったな?って僕は我が親父ながら恐ろしいと思う。組織の中にこういう人物がいたら有無も言わせず、膿も貯まらない。しかし冷静になって僕は起点に戻って鑑みる。親父が僕を懇願したのは事実。それにソッコー応じたのがこの僕。しかしながら敵はしたたかで、まだ、出光のガソリンカードしか僕に渡してない。このクレジットカードでガソリンを入れてもいいぞ?って。そ、それだけではあるまい。もっとずっとその先が・・・。相手は僕の心を読んでいる。だから気さくに質問して来た。コンビニってそんなにすぐに辞められるものなのか?そんなにすぐ、長期の休みが取れるのか?親父はだから素晴らしい。僕の心をお見通し。この親にしてこの息子ではなかった。