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 小さな金に拘ることは良くないこと?僕もそこは肝に銘じて思う。自分がちっちゃ~な男だからだ。小さな利を外すと良くないことが起こりそうで嫌だ。一円でも漏らしたくない、落としたくはないから毎日そこが起点で動いている。ケチと言われてもいい。漏らすことが重なれば絶対に負債がのしかかってくる。それを前置きしつつ盤石に進むのが金銭良好人間だろう。でも固定した確固としたドケチ人間の僕でも借金が嵩張って来た背景には自分の趣向もあるだろうって高いものでも気に入ると購入してしまう。美味しいものを耳にすると買いたくなる。食べてみたくなる。この種の興奮しか今のところ取り込めないというお粗末さだろう。いっこうに人生に恋は巡って来ない。このままの自分では結婚資金も貯蓄出来ない。ただで結婚式は挙げられない。その前に相手も必要。どうあがいても自分が結婚には向いてはいないな!!って早々と諦めている時に本心なのか??って探りを入れているもう一人の自分はいて、深呼吸する。本を読んだからだ。その独身男性は四十とうに超えている。中々自分から恋をするようなきっかけもなく、出会いもなくこれまでずっとコンビニで夕飯を購入し、朝は朝でパンとコーヒー缶、そして夜は又同じコンビニで弁当やおつまみ。かまぼこがウマい。それ以上にビールがウマいでここまで来ていた。しかし昨今は車で昼も行くようになる。レジ嬢に恋をしたようなのだ。遠くで見ていても息が弾んでくるし、レジして貰う時はもっとどっきどき。心臓の鼓動が自分で聞えるくらいで、しかしレジにのうのうと並ぶことは避ける。並ぶとこちらへどうぞ!!って別レジから催促が架かる。ウマく一番に彼女のレジ胸へ入り込むにはどうすればいいのか??その辺の技も身について来た。そして・・・クリスマスツリーのネオンがやけに今冬は眩しい。眼に沁みる。