yd1004

 僕は自分の弱さを巻き返した。何もかも正直に打ち明けたことが効を奏じ始めた。いいことはいい、出来ないことは出来ないって。しかし仕事面ではレジ引き継ぎを受け容れる。速い人に任せればいいっていう理屈では、僕はいつまでたっても銭をいじれない。そして先輩も困る。センター便の陳列は新人には出来ないからだ。僕は時給760円台でも暫く構わないっていう、そろ盤をはじく。ここで800円以上の時給を貰う為にはもうひと山、越えなければいけないバリア、鉄のバリアがあることを再度確認した。レベルが高い店に入ったことが何よりだ。なぜなら将来的に存続が出来る店だと僕が見て思う。マネージャーには一寸の猶予もない。お母さんの介護がもっとも大事な段階にあって、今は仕事をしながら親孝行をしているマネージャーの姿に僕が感動を貰わない訳がない。ホームが決定し、そこに慣れるまでは、一番気を使う場面でその過渡期をしっかり伴走しながら支えていく、自分は早朝に入りながら、しかもその後には発注をしながらお母さんをバックアップしている姿。僕は自分がいかにのんべんだらりだったかを思う。あの掃除機だって開店時、プレゼントされたそうで、僕は自分の無神経を嘆いた。なぜ、ジブンホンイにしか物事を獲れない性向なのだろう。僕には人のことを色々言う資格さえ今のところはない。