Ss252

 難癖を付けながら評価の仕事をしているらしく、姉のやっているレヴューの仕事も眉をひそめるだけの価値があって僕の心も騒然となる。評価は皆が持っている末端意識。そこで、レビュアはそれぞれの人格や見識を丸出しにしてしまう。やはり常識派のしたためるレヴューには格があるし、しっかりと文章も組み立てられ整えられている。僕はしかしクレーマーにも一理はあると思う方だ。例えば僕の言い分は若い頃、中年の頃、全く親戚に受け容れられず、僕の顔を見るたびに皆が口を揃えたように言うのだ。働かんね!!しょうちゃん!!って。長崎では働くの反意語は働かんで、僕はまるで犯人扱い。専業主婦の姉が一目を置かれ、皆に問い詰められることは全くなく、いつも僕は姉が羨ましかった。五人の子供を育てるのがそんなに偉いのか??って僕は反抗的になって一時期、姉に疎外感を持ったこともあった。子供を育てることは当たり前なのに、世間が盛り立て特別扱いしていることに立腹していたのだが、その勢いで言ってはいけないことを言ってしまう。全員、たいしたことがない子供たちじゃないか??って。今になって失言の重さに打ちのめされる....自分が自分で嫌になる。日本の未来を支える子供達、そして孫達だ。僕には何も言う資格さえなかった。姉に心底憧れる。コメンテイターで、格別の味があれば、やがて一流になっていく。それこそ、コメンテイストだろう。