Ss232

 僕は正直、慌てふためく。姉が僕の為に用意した確率変動カクヘンの11111だが、もしもその日が日曜日ならお流れになるところ・・・何を置いても急ぎ調べてみたいと調べた。日曜日なら僕の替わりにアクアマリンマンが執筆で、それを交替など出来る訳ない。僕は日曜日になっていないことを確かめてほっと安堵し、ドットコムを飲み干す。この日を境に、僕は新生するような気持ちになっている。姉の愛がこれほど大きいなど、かつて思ったことはない。僕を失望させるようなことばかり連発の姉にしては、今回のことは有無を言わせず速かった。むしろ出来すぎだ・・・。こういう時期に来て、姉のことをこれ以上良く言うのを僕は避けたい。人を褒めることは滅多になかった母親だった。媚びない態度は当時としては珍しく、母にとっての理想がとても高いことは皆が知っていた。及びもしないその境地を僕は下から拝むだけでいた。やはり血は争えないな!!ってその時思った。どれだけの教育を受けても作法や心根がいまいちなら地の果てまで陥落する。しかし母には自分が信じる戦後バイタリティがあった。時代に翻弄されないという強い思いは、見事に構築され成就もまじか・・・敗戦し帝国海軍の旗が撤去された瞬間から彼女が決めたことだったのだろう。その長い時間の推移が趨勢になる。この国の敗戦はきっと帝国海軍が招いたこと・・・その猛省のもとに常にあったと僕は推察する。そういう母に育成されたことを誇りに思う。