スノーサファイア・マンss2 父親も母親も教員という職責をまっとうしようと頑張ってはいたものの姉が4才で起こした事件によって、母はきっぱり教職からは退く。自分が学校に行っている間に又ややこしいことに巻き込まれはしまいか?それだけが母の決心を占めていた。親になれば子供のしでかしたことは全部親にそのまま返ってくるという、理不尽だけど正統性ある系譜を母は悟ったのだろう。母になることはそれ位大変だって分かったにも関わらず、弟を設けたのは姉の希望を叶えてあげたというから素晴らしい母だと僕も思う。そこは中々思い通りには出来ない部位でしかも約束した訳ではないのに弟は六歳違いで誕生する。玉のような男の子。姉はやっと自分は一人っ子ではなくなったと喜び、お手伝いをしながら段々大きくなる弟をその目の肥やしにする。どんな男子になって人生を謳歌するんだろう♪って。期待に胸を膨らませるのも束の間、弟には人見知りがあって、過度に現れる性質であることもおいおい解って来る。姉はそれでもたいしたことないって静観する。なぜ、そこまでの愛情を姉が弟に注いだのか??鍵っこで寂しかったのもあったのだろう。幼稚園から帰って一人のアパートでずっと過ごす辛さ。アパートの広場では声がするから行きたいけど、兄弟同士でいる場合とっつきにくい。なんで自分だけひとりなんだろう。姉は両親にある日訴えかけるのだ。