苛めの元祖とも言える姉が苛めについて語っていると思うと、体中に寒気もしてくる。何しろ四歳のころ友達を傷付けてしまったという。僕は姉のお陰でこの世に誕生したと言っても過言ではない。なぜなら罪を犯してしまった経緯を話す・・・寂しかったから、姉妹のある友達が妬ましかったからって両親に弟か妹を自分の元に用意するよう懇願したらしいのだ。両親もこの子の言う通りになるなど当初は全く思っていない。符合論の手引きにも恐らくは書いてはいまい。なぜ、姉の希望したことは全部現実化していくのだろう。その能力を僕は直火焚きだから?ってつい最近だが気が付いてしまう。どこかを中継して入ってくる情報ではない。その証拠にいつも最初にニュースを握るのは姉だからだ。今もって不思議なことがあって、僕は姉といる時に僕は一度も前を歩いてはいなかったことだ。常に姉が道を示して僕はいいように流されて来たように思う。十代で姉は家を出て僕に影響及ぼすことも激減、やがて無くなった・・・しかし実際にはそうならなかった。絶えず姉のニュースが僕の家で駆け巡る。姉に子供が生まれるたびに僕の家は騒がしくなった。一体全体どういう人間なんだろう。居なくなってからも影響を及ぼし続けるなんてふつうの人間には出来かねる。僕は、このかねる三文字に意味が凝縮されている事にようやく最近気が付いた。