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 今でも僕は思い出す。自分の二十歳の頃。こんなに落ち着いてはいなかった。今回一位になったサニブラウンの言葉に清々しいけれど、責任ある若者の体現、そしてぶれない心を見せてもらい、ここまでスポーツが人間を逞しくしかも正直にしていくものなんだなあを思って感動を貰う。結果が出せなかった選手も同位できっとどんな挫折の試合にそれがなってもめげたり折れたりはないのだろう。僕の推測は間違っていないと思う。スポーツだけにとどまらない。そこを信じたい。観客動員も素晴らしくて、朝から博多のその会場に並んで見ようと訪れた人々の動悸が聞こえてくるようだ。人が真顔でキャッシュになるとき、つまり、お金に換算出来る感動とみなし、行動する人のことをキャッシュナーと僕はそう呼んでいる。キャッシュはそう言う時に使われるべき言葉。人は本当に価値あるものや稀少機会をおのおの嗅覚で掴むことが出来る。だからこそ、これだけの人々はエールを持って集まった。僕等はきっとキャッシュレスに拘り過ぎている。すまほで何でも出来ることで面白みを満喫しようとしていた。ペイがそうだろう。どこもかしこもペイが仕切る。しかし僕は先週の☆男はつらいよ☆で、主演のマドンナ、樋口可南子の前で平田さん演じる司法試験を目指す青年が、レストランでドリンクを頼む時にこう発したのを聞く。イッペイ下さい!!って。青森の方言では一杯はイッペイになる。このような素朴なペイを僕等は失って久しいのかもしれない。