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 物凄いスピードで癌が進行し、最期は脳梗塞まで引き起こして、昨夜のラストは壮絶でした。そこで思ったのは医師と言う仕事の厳粛さと正直さです。どんなにあがいても死は誰にもやって来る。ここを改めて感じて私は自分の仕事についてを深く考慮したのです。自分の為に動く医師、財前のような書き手ではなかったのか?深く自分を追及し、その手を引くことなく考え及ぶと分かってきたことも多い。最期、彼は自分を献体に出して後の医学に役立ててくれって...。それこそ正しく、私の文学と同位の部位になるなあって、ようやく道筋を見つけた思いがしてこれからがやり易くなったなって安堵するのです。ここまで明瞭に仕事の意味を問い掛けてくれた作品に、私はこれまで出会ってはいない。それはやはり生と死に直接向き合う医療現場ならではでしょう。僕を献体にして後の医学に役立てて欲しいという真摯な気持ちになぜ、末期癌にならないと気が付かなかったの?などと私は財前医師を責めません。むしろ彼は出世志向だったからこそ、駆け抜けていったんだなあは視聴者として許諾する部分もあるのです。傲慢でエリート権威志向、家族も彼には何も言えなかった。するとひとつの大きな軸を失ったあの家族、妻と義父の今後もとても気に掛かります。そして市毛良枝さんが演じた財前医師の実のお母さん....私も泣きました。