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 僕もずっとアクアマリンマンが僕に酷似しているとは思っていた。しかし何といっても向こうの後に僕は出て来た。そこを思うとやっぱり僕がパクっている可能性が高いと見るべきだろう。そして僕の頭に今しっかり存在を強固にしている人物に横綱鶴竜がこれから出るという時にいつも傍にいる人物、白ぶちのメガネを掛けている人物が気に掛かってしまうし、絶対に探してしまうのだ。毎日このところ顔を見てほっとしてしまう。何かこの存在感は鶴竜以上で、ファッションの中のメガネひとつで、僕の人生まで変えてしまいかねない人物のテレビでの発見に、僕の心は戦いているのだ。基本的にこういうことは僕にとっては初。しかもメガネがないなら何てこと無かっただろう。白い淵であったことが、メガネの根本のデザインやこれからの流行にも左右しかねず、きっと僕は次にサングラスを選ぶ時には、必ず白のフレームを選ぶだろうは予想に堅い。こういう確定を視聴者に与える人物こそは僕の憧れだった。彼は一言も発せず僕らの視線を集めることに成功し、パリコレよりも上にあるグラスファッションを我がものとして、何食わぬ顔なのだ。僕は成功の方程式をここに見る。何かひとつ、自分が小道具を世に伝播していけば、思ったよりも倍の成功は約束されるという見通しのいい原理である。