価格には谷がある。その谷間を行き来するのが消費者である。意外な知られざる一面のようでそれを周知しているのが衆知消費者、しかも利口な消費者といえる。僕もそこを痛感する場面に遭遇する。同じ商品、ぐんぐんグルトだが、ダイソーと自販機とドラッグストアモリと三ヶ所を比較する。共に税込だ。自販機はしかしこの際、除外しよう。常時冷えているという利点がそうさせる。ダイソーも冷やしてはいるのだが、自販機ではないので競わせた。500mlがダイソーでは108円、モリは常温で86円。22円の差がある。僕は価格には飛距離があって安いほど遠くまで飛んだと計測する。この場合はモリのホームラン飛距離はダイソーより22メートル長いとそう表現する。僕たちは右往左往して、かいもく見当が付かないへぼい消費者の風体にはない。消費者はすでに売り手の思惑のほぼすべてを掌握している。