キングガズっていう呼び方が凄くカッコ良くて、翁が私に間髪を入れず話しかけて来るのよ。どんな風に？イチロー選手もこの人より七歳若いっていうのならまだ、現役でおれたかもしれないって30打席無安打が残念でならないって。私ははっとして立ち止まる。キングカズを誰が命名したのか？カッコイイにとどまらず、この名前だけで、あと何年か行けそうな気すらしてくるって。翁は言葉に関して特別の認識を持っているのではないですか？それは認める。十九歳で行員になってまず翁は言葉遣い、丁寧語や謙譲語をしゃかりきになって身につける。御辞儀の仕方も厳密に三種類あって日本の伝統を叩きこまれる。しかしある時にそういった伝統だけでは収まりきれないものを獲得するのよ。ほおお....それは興味深い。どんな種類のどんな思いなんでしょう。そこは経験した本人にしか解らないだろうけど触りだけでも随分為になる。マレさんの成長促進剤になったのはもしかして翁の経験？？ええ、恐らくそうだと思う。もしも私が彼の言葉を疎んじて聞いているようなら、今の開花は無かった。大切なものだという直感、第6感がなぜ、マレさんにあったかですよね？田舎の山奥から降りて来た高卒バンカー駆け出し青年がまず言葉の特訓と、それと並行して、みだしなみ、身のこなしの特訓にあったことは身につまされる。だから、彼の言葉は重たいって私は思うの。そこを詠むんですね？黄金の 漬物石を 持って来た
