r399

 ごく一般的な開業医の子息が大学の研究室で自分を極めて今日ある身だと思えば、いかに私がエキセントリック女子であるかは透けて見える。しかもビール乾杯でグラス五杯以上を即飲みしていたことなどとうに忘れてしまうなど倫理に欠ける一面を認めざるを得なくて凍えるのです。焼酎はパーティなどでちょい飲みした程度でほぼ経験が無かった飲み物だった。しかし自分は並居る酒豪の域にあるとは誰にも言われていたこと。酔い潰れたことが経験上皆無。その経験が下敷きにあって態度を慢心状態にしていた。少々のことじゃあ潰れないし潰されないって。しかし彼の部屋に着いてなんかおかしいのです。宴が終わったら普通はさて眠る準備かってなるのが正常な人間の一日の終わりなんですが、彼が言っていることに対応出来ない酩酊する自分が居座っているのです。たぶん彼はこう言っている。一階のソファーベッドに自分は眠るから二階に敷いたお布団の中で寝るようにって。それが終わった途端、勢いよく戻すのです。慌てて彼は洗面器を持って走ってきます。ご、ごめんなさい!!って言うのが精一杯。また暫くしたら嘔吐は襲って来そうで私は半立ちの状態でなげしに駆け込みます。そこがキッチンのなげしだったかトイレの洗面所だったかは覚えてないのです。普通なら一回吐けば随分収まるものがその時は、丸一晩続行で二階に移って布団に寝ても吐くのです。畳にも布団にも枕にも染みついてしまった匂いは強烈でそれが沁み込んでいって辛かった。しかし強度の頭痛でそれを拭くことも出来ない。焼酎なら飲めるはずの自分だ!!って母が鹿児島人であったことが起因していたのです。