ルビー・ウーマンr348 黙って煙草を吸ってゆっくり吐いているだけなのに美人は絵になります。しかし不細工の私がそんな真似をしていたらオーナーはきっとカッカ来て私をクラブ玄関外の甲冑の前に呼び出すでしょう。あゆみちゃん、君は何か勘違いしてないか?って。せっせとお客様のグラスにビールを注いでいなきゃならないのに何でゆっくり煙草なんか吸ってんだ??って。しかし美人がそんな甲冑の前なんかに呼び出されるはずもない。私は気分が滅入るのです。オーナーに気に入られる為にはどうしたらいいのか?スタイルや顔はどうも出来ない。しかし何かヒントやきっかけはあるはずです。私は自分が不細工だということは重々承知ではありましたが、極端に美人ばかりを可愛がるオーナーの手法に、一回ボンと痛烈な爆撃を加える必要はある!!ってそう日頃から睨んでいたのです。なぜなら服を持たない女性に対してドレスの授与だってあのオーナーの資金力なら出来たでしょう。帰りだって、店からボックスカーを出す位は何でも無かったはず。誰もが無視していたのは、遠くから通って来る女性たちの交通費でそれは言わば、自分達で解決しなさい!!になっていたのです。私はオーナーに気に入られて少しでも指名を増やして給料を上げたいとそう思っていた訳ではないのです。差別やえこひいきが嫌だっただけなのです。美人はぷっかぷっか煙草を吹かして、不細工の私達は駒ネズミや小間使いのようにあしらわれる。これでは不公平だと思ったのです。