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 男という生き物を、僕は芸術品だと譲らない。元々僕はスタイル重視の男でみんながデートで決める時のスタイルアップを頼まれる方でそれは確固としたカッコ良さが自分の中に生じていることもある。きちきちの麻ブレザーをわざと短かくスタイリッシュし、下にはドレーニングウェア風のスラックス。なぜ、ちぐはぐはいいのか?みんなはとことん解せない。世の正統派がいいと言って好むものに僕は異議を申し立てヒップホップ系若者スタイルを主張する。たばこだけはしかし彼女にノーを言い渡される。私の見えない場所で吸って・・・と。僕は即座に応じる。自分の姉にもこっぴどく注意されたこともある。副流煙の害を知らない者はいない。僕は車でだから煙草を吸えなくなった。これはひとつの事件だ。煙草を吸う姿ではピカいちとされるジョニーデップの前から煙草の煙が消えて電子煙草に切り替えさせられた騒然だろう。しかし僕は相手を立てる気持ちからではなく、車の中での煙草を止めた。こういうシナリオは相手がどんどん僕を変えてくれている証明だとプラス志向に獲ったのだ。相手を人生のスタイリストに僕が見立てたといってもいい。僕は彼女のサンダルの選び方にグッドを入れた。例えばそれはひとんちの玄関で時間が少し掛かるのだ。ホックを付けたり外したりで。しかしその仕草に女性らしさは漲っている。