デニム・ブルー・サファイアママン7の15

 この赤ちゃんを抱いて静かにそっと、お気に入りのベッドに寝かせます。体重も普通くらいですべてが順調でしたが泣きやまないこともよくあって、おむつを見ながら、お乳を含ませ、育児は二回目とあって慣れているかのようでした。離乳食まで行くという前に、私はいきなり煙草を吸い始めます。これは本来いけないことですが、夫が煙草を止めて精進しているというのに、なぜか、その煙草の匂いが恋しくて自分だけ吸い始めるのです。窓に向かってゆっくり煙を吐き出すと容子が見ています。なんで、そんなに美味しそうに考え込んでいるの?って。容子にはこの家に来たことの理由がよく呑み込めています。誰もその過去を知らないからこそ、今みんなが平穏無事に暮らしていけている。容子の過去はまるであたしの過去と重なっているかのようで、愛おしかった。あの子があんなにみんなの中に溶け込んで行こうとして私にせがんだのに、ピアノの練習があるから!!って拒否った。この行いの懺悔のように私は煙草を燻らせながら33年間の人生を回想していたのです。お金を貸した彼女も転居していることを知ったら驚くでしょう。律儀で何でもちゃんとしてないと気が済まない性質だった。訪ねて来てくれたかも?って思いを巡らすのです。容子は煙草の煙は余りにゆっくりと外へ向かうのでそこで驚いた様子なのです。煙は全く急がないのね?って・・・。