ルビー・ウーマンr345 私がオーナーに嫌悪されているのはよく分かるのです。確かに大事なことを入店時に言い忘れていて、それをオーナーはつまびらかにするように、前年の十二月注意されたこともあったのです。一緒に住んでいて籍もまだ入っているようだけどどうなっているの?って。そういう真相をうやむやにすることがオーナーは懸念材料だって私にアドバイスして来たのです。私はありのままを伝えます。離婚はするけどまだ、話し合いが付かず、もう少し待って下さいって。オーナーは離婚を真剣に考えている私に余計なことを言うのもおかしいと思ったのか、なるべく早めに決着してくれればいいんだけど?ってやんわりとけん制します。中途半端な男女の関係や夫婦のもめ事がある日、襲いかかってくるのがこの商売では時々あったのです。私も迷いに迷っている訳ではないし、離婚届けは準備していても相手が押印しないのです。そんな相手に無理強いは難しく、その辺での時間をきっとオーナーは理解してくれたって私はオーナーの懐の深さに参ったんですが、こと店での、あゆみに関しては、オーナーは手厳しかったのです。客層がそうそうたる人物ではないこと、一般の社員を顧客にしていることを憂えるのです。一介のサラリーマンが来れる場所じゃないのに、あたしがこのクラブをまるで一杯飲み屋みたいにしていると言わんばっかりに口を酸っぱくするのです。