サファイア・マン《面白い男編》〔183〕彼女はとうとう許されない恋に身をやつしているようで、それなのに、ようちゃんに、その事を報告することで、自分を擁護する人間をひとりでもいい、そばに置きたい感じは見て取れて、仕事で知り合ったけれど、段々相性がピッタリなことがわかって、お互いは最初こそ、仲のいい友人関係のように、リラックス出来る間柄だったものが、日を置くごとに、激しい恋の感情に進展していったというので、固唾を飲んで彼女が語り尽くすのを聞いていたのです。しかし、どこかクールで全然悪びれてはおらず、前からしっくり行ってなかった旦那さんとの別離をはっきり決心出来るまでになっている最近の思いを伝えて来るのです。後悔しても知らないわよ?って私は一応進言しますが、馬の耳に念仏で、ニコニコ笑っているのです。子供保険が前から気になっていたので、次女に掛けようと話をこっちから持ち掛けると喜んでくれるのです。実はようちゃんに、次のような啓示は入っていたのです。この女性の、海馬とそっくりなお前の海馬。彼女の役に立っていれば、お前の窮地をやがては救ってくれる、そういう女神の要素を兼ね備えている......って。深い洞察の啓示にようちゃんは、みずから進んで子供保険加入を彼女にプレゼントしたのです。