イエローダイヤ・マン《標榜編》〔307〕俺がほっともっとと知り合ったのはほっかほっかと名乗っていた随分昔でなんでこうも眼中に入ってきたかというと速いからだった。今注文したのにすぐに出て来る。しかも注文受けて作っている。どんなカラクリが?と子供心に思ったし母より速いことが凄腕だった。母の料理は全然速くなくて俺もイライラ来ることはあって手を掛けすぎて内心嫌だった。色合いに拘るのだ。緑のモノを一品入れなきゃと俺が急げ!っていってもほうれん草を湯がいていたりで拘り方がハンパなかった。確かに俺の弁当に評価は付いたがそれは級友たちの評価で俺自身はなんとも思っていなかった。そしてその小盛りご飯を頼んだ日・・・なんとドラミのウィンナーが入ってなかったのだ。俺は自分がここまで嫌われたか?とは思わない。理由は店にとって俺はとても気懸かりな顧客になり、とうとう基本路線を忘れてしまう・・・という人材になり下がっていた?その証拠に輪ゴムも掛かっていなかったのだ。あの出来ないおばちゃんも一度厨房に入れば弁当の達人に変身で俺は評価していた。しかし俺からの評価を気にする余り、ウィンナーを入れ忘れる?輪ゴムもなし?それは俺に対するスタッフからの評価でもあったのだ。