ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔171〕いつもまさお君の仕事が終わるのを待つのは喫茶店で、その場所に長居する自分が退屈で場所を替えたりしていました。しかし資金がないのでそういう突飛な行動に出るわけにもいかない。限られたオコズカイの中でキリモリしていくのは日常の課せられた任務。しかし結婚する二人の夢はあってもそれが充実したものになるのは当分御預けのような気もしていたので、何はともあれ、自分は作曲を就かず離れずやっていくことが自己防衛だという旨わかっていたゆえ、その日その日が輝いていたのかもしれません。喫茶店には華がありました。初めて全然別の装いの喫茶店に飛び込むこともあって、気分を一新させたりすることも妙味でキャロルはウィンナーコーヒーを注文して、中々ウィンナーが運ばれてこないので、とうとう厨房に訊きにいくのです。自分ではホットドッグ&コーヒーのようなものとすっかり決め付けていたんですが、それを訊きにいったときの周囲の様相がただならぬものだっただけに恥を知ったのです。ウィンナーコーヒーの説明をまず施されます。生クリームをコーヒに入れて頂くドリンク・・・。ミルミルお赤飯の色に自分の顔が変わっていきます。自分は異星人ではないのか?周囲もまるで、宇宙人を見るように奇異な面々に変わっていくのです。