もしもバイキングに俺とキャロルが行ったなら、あいつが十皿たいらげるときに俺はふたつ食えればいい方。それは俺が胃を半分切ったことも起因するが他にも理由がある。俺は銀行員の時代、本当に十分ほどで食事を食う習慣がついた。それで、胃が時間萎縮したのだと思うし、噛むことももちろん不十分だったろう。何しろ俺は八時間どころか、朝七時から夜の十一時まで働いていたことが多かった。つまり・・セブンイレブンでいこう~がわが社で流行っていた時代なのである。それでも俺は時流の最先端に乗ろうとしてもそれが叶わなかった。パソコンの台頭である。そのことが俺を懐かしのバンカーの時代に据え置き、さりとて出世もさせなかったが、よく考えると、若いセンス&器機への対応がまずかったからだと反省する。しかしながら俺は俺の時代を堪能し全力を尽くした。君たちがセールスマンやビジネスマンなら御社がまず何に向っているのか?誰と戦っているのかくらいはわかっていなければまずい。俺は少なくともそこがわかっていた。だからこそ、やぶし銀の今があるのだ。