女性の平均寿命までは生きて文筆業を維持したいなあ。最近のキャロルは健康第一になっている。ビールも飲まない。二男の、普段からマラソンして体を鍛えているその様子を耳にしたのも大きい。美味しいものを食べ、映画を鑑賞し、快適睡眠をとり、幸せを満喫するだけでは長寿は得られない。何か、カギがあるのでは?と。親類に娘は52歳で亡くなっても、百歳超えるそのお母様がいる。長寿の秘訣がなんとなくわかる。無理をしないということも大切で、娘の二倍の年月を生きたこのお母様から学ぶことは貴重の2文字。しゃかりきになって生きて、自分の思いを伝えるだけでは、人生申し分ないとは言えず、そこら辺の曖昧さにカギがある。キャロルは長男に自分の老後を押し付け、やがて委ねようかな?とそう目論む。彼の人生はいつも粘り強さで勝負していてそこが買いだ。ブサイクだがこころが自由だ。その出張研修に誰も手を挙げず、京都に来週一週間赴くことになったそうだ。今の京都はどういう風情なのだろう。父がいつか、豆腐料理に感動したように意外にも質素を下敷きとした、古風な佇まいなのかもしれない。