金曜日が週の始まりを告げるというキャロルの一週間、それに俺も合わせることになった。戦友夫婦の典型である俺達のチームワークはがちで強い。いわゆる、ニッポン型ファミリー主義ではない。弱肉強スタイルを保ってきた。俺に収入が多いときには、俺が威張り、今は俺の年金で生活のはずが、どういうわけかあいつが威張っている。俺はニートと呼ばれる寸前なのだ。しかし俺の年金はわずかずつ減るもののいきなり消えたりしない。四十年間銀行に捧げたお蔭で、そのことはあいつもきちんと理解している。しかし組織人が完璧か?というとそうはいえない、ここに家庭の歪も生じたし、ニッポンが少子化になっていった背景もここにある。組織人とは不完全な形態を無理に正常に見せかけ、ここまでどうにか来たことを少なくとも俺は認めている。