パラノーマシゲコは、キャロルが乗っている雪風の大砲に撃沈されて、海をさまよい、ようやくワイン用の樽を見つけてそのお蔭でどうにか岸まで辿り着いたという安堵・・・。生きていたか・・・俺はっていう喜び。なぜ、これまで、妻の苦しみや哀しみに気が付かなかったのだろう・・・。あいつがこころで何を求めているかを早急に知ろうとする伴侶としての意欲に欠けていたと後悔するのだ。キャロルは自分よりも弟が偉いとはっきり言い切った。子供を五人も育てたキャロルが言うから、それはなかんずく当たっているのかもしれない。これまでずっと両親を支えたキャロルの弟をもう鬼畜と呼ぶことはやめよう・・・。気が付いたら、すぐに実行すること、そしてその気持ちを伝えることが、絆を有する人間にとって最も大切なことだから・・・。