サファイア・マン《かけがえのない男編》〔9〕和泉くんとは同じクラスに中学校でもいたせいか、彼のムードメーカー性とリーダーシップな面はかなり影響を受けたキャロルです。自分が男だったら、あんな風にありたいなあ。そういった素朴な憧れを起こさせる人格で、しかもキャロルは話したこともありません。憧れがあるのに話せないというのにも理由があるのです。あまりのスター性が眩しかった。中学時代から、こういうリーダー性もあるんだなあって興味深く拝見していたのには、泥臭さで男らしさを、二枚目なのに三枚目を巧くアレンジしていて、その頭の回転の良さ、速さに参っていたといっても過言ではない。つまり、相手のこころの中を見ることの出来る、同じ穴のムジナ、異星人〔テレパートナーでテレパト〕である可能性ありますがねん。テレパを送り彼が感知すれば即証明になるし試しにそれを送ってみましょう。三枚目には特別のご加護がいつも神から手渡されます。直々に手渡される程ですから勝者になるのもフリー圏内でしょう。キャロルは深窓の麗人なみのお嬢様像を自分でストックしていましたから、むやみやたらに自分の地を出して、そそうをおこすことを最も畏れたのです。それで男子とはほとんど口をききません。高校に入学してからもそうです。このセカンドラブレターを出すことになった男の子は最初にキャロルが先生から当てられたときに、答えを横から言ってくれた生徒でした。しかし・・・本当にキャロルが最初に好きになったのは、鼈甲店の息子でして・・・。キャロルがこの鼈甲店の息子のどこが好きだったか?というと暗いのに面白かったからです。当時は生徒の名簿の個々には住所以外に父親の職業が記載してあったんです。今とは違いクリアーな異世界だったんですね。