ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔169〕笑い上戸であった母の別にあるところの心理は奥深くてこの豚の茶碗が完全な嫌がらせでは?との憶測。キャロルは母にテレパを送ります。純粋な子供の好意を疑うようなことはヤメテ!!と。母はそれをキャッチし自分の憶測をひとまず処理、笑い出すことでことなきを得たのでは?と。几帳面で潔癖性でこのお誕生日会を恐らく母は出来るだけ早く終わってくれ・・・と大人のさい量で静観していたことが子供ながらキャロルには見えていた。偶的発見もあったのです。プレゼントの意味です。当時そういった割れない茶碗の動物絵柄付きが流行して、フォークやスプーンも付けてお誕生日のプレゼントにすることが女子の定番だったのです。母はうちの娘がイジメになど遭うことはないだろうとそういう自信があった。それはしたためておきたい。母は自分の子供に降りかかってくる難儀はすべて駆逐したいしそれは出来る!とそう思いはしても、どこかで不安もあったのです。娘は他の子供達と比べると尋常ではない気がする・・・どこか浮き足だったところがある。情も深すぎる。毎日のように外で遊んでばかり。もう少し家の中にいてもいいのでは?自分がかつて、終戦で味わった程までとはいかないものの、同じ十六歳でとんでもないことが娘に起こる・・・しかしそれはまだ想定外のことではあったのです。