死人に鞭打ってはいけないが、容子には、比較材料になっただろう。実家の区画整理費を棚上げにしたまま、亡くなった父親と、僕…僕は、借金は、大嫌いだった。ふたりは経済面では、僕の方が勝り、容子の実父は、経済面では、甲ではなかったと言う結論だ。昔の4段階で、僕が、義理の父親を乙評価したのも、気を遣いながらそこに落ちついている。税金を滞納するなど、あってはならない。しかし、みんなにも、この一件で、理解がしやすくなっている。経済にもたけ、文学にも、たける人間は、両刀遣いとの認識である。少しずつ、苦労は容子に染み付いて、経済にも容子流は、介入を始めている。苦労は買ってでも、各人がやらないと、日本の未来はえらいことなる。