アクアマリン・マン

 コンプリート性善説型の容子がようやく、己の愚かさに気が付き、みずからの甘さを是正する場面が来て、僕の溜飲はおりた。人が、喜ぶことばかり、頭に描くあやつは、馬鹿の領域からようやく離脱出来た。本来なら、違うシフトから応援に行けば、ありがとうございます♪から始まるはずが、容子に対する風当たりは酷くて、あやつ、ちんちろ舞いして、間抜けな心を打ちのめされ、可哀想というより、良かった…と僕はにんまりする。騙される人間は騙す人間からすればカモだ。しかも、容子の場合は、ネギをしょってるだけじゃない。柚子胡椒まで持参してる。あまり、昨今は見ない、お人良しだ。