最初のきっかけを掴むまで

 実に、話しかけるまで一年以上かかるケースもある。レジで顔見知りになっても、話を交わす間柄に簡単にはなれない。幾ら片方が積極的になろうとも、人を寄せ付けないハニカミ屋は存在する。しかし、話をするようになれば、あとは、速い。自分の周辺を紹介して親近感を出す。ハニカミ屋の青年は強く反応した。私の子供も製造業で頑張ってますよ…と彼に伝えた。彼は、どこに勤務ですか?と尋ねて来た。こうして進展があるのだ。ハニカミ屋どころではない。彼は今、次は私から何を訊かれるか?わくわくしながら待っている。