デニム・ブルーママン19の11

 まさお君のお父様とは、ますます疎遠になり、家に戻って来た容子も、気まずい雰囲気に雁字搦めになります。私の心は容子の意のままにしていました。あの子が、音楽の仕事に就きたいあまり、まさお君の家族に同行した当初の経緯…そこから、迷路に入り込んでいる?しかし、早計な判別はやってはならない場面だとあたしは無言に徹しました。ピンク・レディーが出て来たあのシーンを素早く捉え、暗譜し、即座に演奏するくらいのお父様に、容子は、比較したのかもしれません。じぶんの父親の発想は公務員的な志向で、しかも、お仕着せを感じる。反発があったからこそ、ふたりで家を出て小倉に行ったのに、肝心な容子はバックレてしまい帰宅していたのです。